QUALIAの上

QUALIAブランドの消滅は時代の趨勢上、致し方ない部分もありましたが、唯一惜しまれたのがカナル型ヘッドホン、MDR-EXQ1がそのブランドと命運を共にしたことでした。その後ハイエンドモデルとして登場したEX90SLは、音質こそ一定水準を満たしていたものの、遮音性が低く、モバイル用途としては不向きなものでした。一方、NC22はノイズキャンセリングモデルで、ヘッドホンとしてのパフォーマンスは持っていましたが、あくまでノイズキャンセリングを前提にした音作りになっており、ウォークマンなどとの親和性は高いものの、幅広い用途に耐えうる製品ではありません。

そこで満を持して登場したのが、QUALIAの約1.5倍という強気な価格設定で登場した真のフラッグシップモデル、EX700SLであります。EX90SLの13.5mmを上回る16mmというドライバユニットを搭載しながら、逆さま装着(上向きにコードが伸びるように装着する、オフィシャルな方式)により圧倒的な遮音性を実現。まさにナチュラルノイズキャンセリングで、耳栓をしているような感覚です。音も原音を忠実に拾って来るSONYのヘッドホンらしい音作りで、QUALIAの深さに力強さが加わったような印象です。このあたりまで来るともう、クオリティが高いとか低いとか言うレベルではなく、志向性の問題でしょうけど、これ以上はもうアンプというか出力の方に手を加える以外に音質を高める術はないんではないかと思うほどです。これでPSPのゲームやっちゃうなんて、贅沢を通り越して酔狂というんでしょうか、自己満足度はかなりお高めです。

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